キャロル映画のその後・テレーズの恋愛はどうなるの？

映画『キャロル』を観た方の中には、ラストの展開と結末が曖昧で、「この後どうなるの？」と気になって仕方がない方もいらっしゃるのではないでしょうか？

今回は『キャロル』の映画のその後についての考察です。

あの結末はハッピーエンドだったのか、その後に続くテレーズとキャロルの恋愛はどうなっていくのか、初めて同性愛に目覚めた若い女性ならこんな課題にぶつかるんじゃないかと思う各ポイントについて、一緒に考えてみましょう。

 

キャロル映画のその後・テレーズの恋愛はどうなるの？

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キャロル見たよ。

君の名前で僕を呼んで然り
リリーのすべて然り

この手の映画の描写の細かいことよ

言葉よりも動作や目線で訴えかけてくる情熱

タイトルはテレーズでも良い pic.twitter.com/HNnaTWvtxv

— ざっきー (@zacky_mouse) January 9, 2021

キャロルからのこの誘いを一度は断ったテレーズ。

ラストシーンでは今一度、テレーズがキャロルの前に姿を現します。

そこで映画は終わりますが、その後ふたりはどうなるのでしょうか？

 

キャロルとテレーズは同棲を始めるのか？

ラストシーンにセリフは一切ありません。

会食の席の向こうに、先ほど別れたはずのテレーズの姿を見留めて動きが止まるキャロル。

その頬に浮かびかける微かな微笑み。

映画のその後、キャロルとテレーズはマディソン街の広いアパートに、一緒に暮らし始めたことでしょう。

キャロルは4番街の家具店のバイヤーとして働き始め、テレーズはニューヨークタイムズで働きながら写真家への道を探ります。

ふたりの同棲は基本的に上手く行くのではないかとは思うのですが、わたしがすごく気になってしまうのは、テレーズのその後の恋愛観と将来についてなんですよね。

たとえば：

1. テレーズは生涯同性愛者として生きるのか？
2. テレーズが男性に恋をするとしたらどのタイミングか？
3. テレーズが他の誰かを好きになったらキャロルはどうするのか？

この３つのポイントについて、それぞれ考察してみました。

 

テレーズは生涯同性愛者として生きるのか？

映画『キャロル』の原作は、『The Price of Salt』という題名で1951年に出版されました。

そこには若きテレーズがキャロルとの惹かれ合う関係に戸惑い、同性愛に向き合っていく姿が描かれています。

テレーズはキャロルに出会うまでは男性と恋愛していました。

美しい大人の女性に憧れはあっても、それが恋愛として意識されたことはなかったのです。

戸惑いつつもキャロルへの思いが深まっていくテレーズ。

映画のラストではキャロルへの愛を確信します。

ただ、それが男性への興味がなくなったことを意味するのかといえばそうではないと思います。

キャロルも、結婚した当初は元夫のハージのことも愛していたはずです。

でもキャロルは女性をも愛せる自分を自覚するようになり、女性のほうが好きになったのでしょう。

しかしテレーズの場合は、恋愛自体にも経験が浅く、キャロル以外の女性には全く気持ちが動いた経験がないので、恋愛対象としてはキャロルだけが特別な女性だということもあり得ます。

感性が若い分、まだこの先どうなるかわからない不安定さがあり、テレーズが男性に恋をすることもあり得ると思うのです。

 

テレーズが男性に恋をするとしたらどのタイミングか？

テレーズが男性に恋をするとしたら、きっかけとなるタイミングは２つあると考えます。

1. 男性が持つ、女性にはない特質に興味を持った時
2. 出産、育児への願望が芽生えた時

どういうことか説明します。

 

テレーズが男性と恋に落ちるきっかけ１：男性が持つ特質に興味を持った時

もしもテレーズが、キャロルと出会ったことによって「もう女性しか愛せない」と思うようになったのであれば、１つ目の可能性は低くなると思います。

でももし、テレーズがキャロルと恋に落ちた要因が性別ではなく、キャロル個人の魅力があまりにも特別であったから、ということであれば、同じくらい特別な魅力を持つ男性が現れた場合、テレーズが彼と恋に落ちることはあり得ると思うのです。

そしてその場合、その男性にはキャロルにはない魅力があるはずです。

キャロルは女性としても、人間としても申し分ないくらい魅力に溢れていてカリスマ性のある人物なので、彼女を超えられる男性がいるとすれば非常に男性的な魅力を持ったひとではないかと思います。

例えば、足を踏み外しそうになったテレーズを助けたり、重い荷物を代わりに持ってあげられたり、テレーズが悩んだ時に男性ならではの大局的な視点から意見を言ってテレーズの心を和らげてあげたり・・・

そんな時にテレーズが女性と男性の決定的な特質の違いに気づき、男性に魅力を感じたりすれば、それが恋に落ちるきっかけになり得ると思います。

 

テレーズが男性と恋に落ちるきっかけ２：出産・育児への願望が芽生えた時

あくまでもテレーズが男性に心を開く余地を持ち合わせていれば、のことですが、出産・育児への願望が芽生えた時には、テレーズも自然と男性との恋愛に心が向く可能性はあると思います。

女性同士では子供は作れませんし、女性の「母親になりたい！」という願望は、芽生えると非常に強いものだと思います。

しかもテレーズの場合、娘のために世間との接触を断って閉じこもろうかとさえ考えたキャロルが目の前にいるのですから、我が子がいかに愛おしいものであるか、キャロルと娘の姿を見ればわかるというものです。

そして女性には出産できる年齢にも限りがあります。

出産願望は、女性にとって生存本能に近いくらいの切迫感を与えるものなので、可能性があるのであれば、男性と結婚して母親になりたいとテレーズが思っても、不思議はないと思います。

 

テレーズが別の誰かを好きになったらキャロルはどうするのか？

キャロルは、もしもテレーズが別の誰かを好きになったら、潔く身を引くでしょう。

それは映画『キャロル』の中でもそうだったので、多くの人がそう予想するところではないでしょうか。

久しぶりに再会したテレーズに「一緒にアパートに住まない？」と提案してテレーズから断られた時、キャロルは取り乱すことなく微笑んで了解しました。

同じようにすることでしょう・・・決して、恋敵からテレーズを奪い返そうなんてことはしないと思います。

キャロルは自分の意思を非常に大切にするひとです。

テレーズが他のひとの元へ行きたいのなら、彼女の意思も同じように尊重するでしょう。

はぁっ・・・素敵なひとですね、キャロル。

😛

『キャロル』映画の名言を紹介：テレーズは空から落ちた天使？

英語を母語とする人たちの間でも「どういう意味？」と話題になったというキャロルの名言がこちら。

“Flung out of space.”

「わたしの天使。空から落ちてきたひと」

flungの現在形flingは「放り投げる、投げ飛ばす」などの意味です。

「天から放り出された堕落天使という意味だろうか？」というのが一般的な推論であるらしいです。

羽が折れてしまったのか、1950年代の窮屈な社会倫理の中で場違いなくらい自由で透明だったテレーズは、キャロルには人間ではなく空から放り出された天使みたいに見えたのでしょうね。

自分が何をオーダーするかも決められない、自分の意思も生き方も、右も左もわからない、人生が始まったばかりの若い女性。

テレーズには映画のその後、自分の生き方をいかようにも変えられる自由と可能性があるんです。

その初々しさが、キャロルにはとても眩しかったのでしょうね。

 

まとめ

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私の好きなクリスマス映画「キャロル 」映画史上最も美しく切ないラブストーリーだと思います。所々流れる音楽が胸を打つ。もうずっと見てられます🎄#クリスマス映画 pic.twitter.com/OnzJWZvJIC

— ねぎまぐろ (@tzw_h13) December 15, 2019

『キャロル映画のその後・テレーズの恋愛はどうなるの？』のタイトルで作品の後のテレーズの未来について考察しました。

美しく聡明な大人の女性キャロルとの新たな恋愛をテレーズが選んだとして、その後もテレーズがずっとキャロルと添い遂げるかどうかは誰にもわかりません。

女性しか愛せない、というわけでもない場合、テレーズには男性と恋に落ちるきっかけとなり得るタイミングは出てくると思います。

キャロルには持ちえない男性特有の魅力にテレーズが興味を惹かれた時か、娘を愛するキャロルのように自分も我が子を授かり出産・子育てをしたいという願望が芽生えた時か。

テレーズは、キャロルの名言『空から落ちてきた天使』にもあるように、窮屈な1950年代の社会情勢の中で、そんな型にまるではまらない自由さと透明感を持つ若い女性です。

その後どんな風にでも人生を展開していける可能性がテレーズにはあるのです。

テレーズの恋愛がどうなるのか、いろいろなケースを想定して考察してみるのも楽しいですね。