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Fukushima50海外の反応と評価・ツイッターの感想を紹介

Fukushima50海外の反応と評価・ツイッターの感想を紹介

映画『Fukushima50』についての海外の反応と映画評論家からの評価、海外の一般客からの感想をご紹介します。

Fukushima50は、私たち日本人にとっても現場の真実を知ることができる貴重な作品ですが、海外の反応や評価とはいかなるものだったのでしょうか?

まだ観ていない方も既に観た方も、気になるところですよね。

アメリカの大手映画総合情報サイト『ロッテントマト』から評論家のコメントと、ツイッターからは一般の視聴者・観客からの感想をご紹介します。

一緒に見て行きましょう♪

 

もくじ

Fukushima50海外の反応は?

本場アメリカの映画評論・総合情報サイトの『ロッテントマト』からの評価と、ツイッターに寄せられた一般客からの『Fukushima50』への評価をご紹介したいと思います。

 

ロッテントマト・映画評論家からの評価コメントを紹介

今回、ロッテントマトのサイトには、トップに表示されるトマトメーター(映画評論家からのスコア)とオーディエンス・スコア(一般客からのスコア)が出ていません。

出展:https://www.rottentomatoes.com/m/fukushima_50

それもそのはず・・・米国での動画配信は2021年3月5日からのスタートなのだそうです。

このトマトメーターとオーディエンス・スコアは、一定数の評価投票が集まらないと表示されないので、データが集まるのはこれから、ということになります。

今後、表示される時が来たらこちらにも結果をアップデートしていきますので、今のところはまず、ロッテントマトへ個別に批評を寄せている映画評論家たち4名の意見からご紹介しましょう。

 

フレッシュ(高評価)側の評価・感想

高評価だと「フレッシュなトマト」と評価される”フレッシュ”側の評価をご紹介します。

ピーター・ジャン(サイコシネマトグラフィー)
この映画は、避けられない事態をそれでも回避しようとした50人の労働者について、世界に語られてこなかった真実を伝えている。

観客は作品の冒頭から、彼らの試みが完全には成功しなかったことを理解しているが、だからこそ彼ら50人の行為は真に英雄的であり、観客の心を高揚させ、感動させるのだ。

Fukushima50が作品を通して観客に語りかけた真実とは、”人は災害を防ぐためにどこまで突き進んでいけるのか、他者の安全を守るという目的の前ではいかに容易に自らの死の危険性を受け入れるものなのか”ということだ。

彼らが英雄である所以は、そのために取った行動の危険性自体にあるのでははなく、彼らを動かした心情や精神性にあるのだ。

福島の悲劇は、本部の人々が被害の惨状や範囲を認識できず、原子力安全規制がほとんど役に立たないことを理解していなかったというだけではない。

階層的な官僚制度の規則に従うことによって、現場の人たちの判断力に問題の矛先を向けたことだ。

役に立たない規制や階層構造に依存している以上、真のリーダーシップが生まれることは不可能である。

若松監督は、日本の官僚制度がこの予期せぬ状況に対処できなかったことが構造的な問題であったことを鮮やかに描き出している。

厳格な官僚制度は、建設的な方法で状況を処理するためには、必要な柔軟性を欠いているのだ。

Fukushima50は、日本の厳格な官僚体制の問題と作業員たちの自己犠牲的精神の物語というだけでなく、原子力エネルギーへの盲目的な依存についても警鐘を鳴らしている。

心と魂を主流に描いたことで、電力を安価な原子力エネルギーだけに依存することへの警告が、効果的に示されている。

マーク・シリング(ジャパンタイムズ)
3月11日の福島第一原子力発電所のメルトダウンから9年後の今までに、災害に関する本やドキュメンタリーはたくさんあったが、当時、実際よりもはるかに大きな大惨事となるはずだった災害を回避した、原発最前線の労働者に焦点を当てた映画はFukushima50が初めてだ。

門田隆将の原作『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発』は2012年の作品。

それが映画化までにこれほどの時間を有した理由の1つは撮影規模であろう。

制作チームは広大な福島第一原子力発電所の敷地を再現し、実力派キャストを揃え、CG効果を駆使して臨んだのだ。

2016年にヒットした『シンゴジラ』は、2011年の原発事故から発想を得たという作品だ。

火を噴くモンスターから日本を救うために奮闘する技術者が無能な高官の圧力を克服し、官僚、軍隊と一丸となって闘うという愛国的な物語だった。

Fukushima50も同様の物語だが、主人公たちが闘ったのは架空のモンスターではない。

実際に起きた、現実の災害だ。

彼らの過剰な献身と感傷の全てにより、Fukushima50は単なる大和魂への賞賛ではなく、清濁入り混じった事実の再現フィルムとなった。

おそらくプライバシーの懸念からだろうが、福島第一原子力発電所の中央制御室の労働者は、ほぼすべてが架空の人物として描かれている。

実在の人物の名前が付けられているのは、機敏で率直な現場監督で緊急対応チームのリーダー、吉田昌郎(渡辺謙)のみ。

国内外のメディアで福島第一原子力発電所の労働者の顔となった吉田は、当時あまりにも有名だった。

彼は2013年に(原発事故とは無関係と判断された)癌で他界した。

この映画は、記憶に残る吉田昌郎へのオマージュであり、作中の追悼式では吉田の部下として描かれている井崎(佐藤浩市)が心からのスピーチをしている。

運命を分けた劇的なポイントとして作品が取り上げたのは、会社の命令に背き「損傷した原子炉を海水で冷却する」という、吉田が下した重要な決断だ。

東京電力(テプコ)の吉田の上司は、海水が原子炉を破壊し修復不能にするのではないかと恐れていた。

吉田は他に選択肢がないことを知っていた。

冷却しなければ原子炉は、東京を含む本州の大部分を飲み込むほどの放射線を放出しただろう。

Fukushima50は事実を正確に、明らかにしているだろうか?

詳細な回答は専門家に任せるとして、Fukushima50は少なくとも、仮名を使っていることを除けば、映画の本流を目指して、事業者の利益第一の考え方からパニックや混乱まで、ある家庭の真実を伝えようと大胆に取り組んでいる。

彼らがチェルノブイリのような黙示録を回避し続けてくれてよかった。

おかげで、今、東京でこのレビューを書くことができているのだから。

 

ロッテン(低評価)側の評価・感想

アンソニー・カオ(シネマエスカピスト)

渡辺謙主演のFukushima50は、福島第一をめぐる日本の現実を忠実に反映する作品として議論の余地はない。

一級クラスの俳優、渡辺謙と佐藤浩市が主演するこの映画は、福島の災害の悪化を防いだ労働者を闘うライオンとして描き、一般の観客にも事件について知る機会を与えている。

その点では、この映画は「酷くない」とは言える。

しかしFukushima50は、ニュアンスや心情描写に欠け、人間ドラマとしての価値を削いでいる。

これは主に、誰が悪役かを明確に指定することを拒否しているためで、その意味でこの映画は「良くない」。

アメリカHBOのヒットシリーズ『チェルノブイリ』は国際的な人気を獲得したが、明確な悪役の登場しないFukushima50がそこまでの支持を得られることは決してないのかもしれない。

しかし作品は依然として非常に価値があり、歴史的観点からも興味深いものである。

全体を通して、私たちはタフで無私無欲な男たちの大群に心を奪われることになる。

彼らは気丈に原子炉の部屋に駆け込み、消火ホースを運び、乾物を食べ、災害に正面から立ち向かい、目を凝らす。

これらはスイッチの入った男たちの姿であり、行動する男たちの姿だ。

(日本の自衛隊が目立つように、文字通り)勇敢な戦士が目に見えない敵と戦う。

Fukushima50を理解するために博士号は必要ない。

英雄を崇拝する能力と、戦争映画との比喩を理解する能力があれば。

現代の日本の、どちらかといえば利己的な若者たちとは異なり、Fukushima50の作業員50人は第二次世界大戦のベテラン、「他者のために戦った世代」を彷彿とさせる。

しかしこれを戦争映画と観るならば、『チェルノブイリ』とは異なり、Fukushima50には災害によるトラウマや精神的犠牲を伝えるニュアンスや心情描写が何もない。

暗い映像、放射線量計測器の骨が凍るような冷たいクリック音、温かみのない避難勧告のアナウンスが映し出されるだけだ。

さらに「英雄たちの戦い」を見せる映画には必然ともいえる明らかな悪役が、Fukushima50には登場しない。

『チェルノブイリ』は嘘の代償について警告しているが、Fukushima50は何の警告も発していない。

何が災害を引き起こしたのか?
原子力が悪いのか?
災害への備えにもっとお金を投資すべきなのか?

この映画は「誰にでも責任を負わせ、軍国主義的な感情を受け入れる」ことを嫌がるという点で、現代の日本の現実を反映しているといえよう。

日本は政治映画を撮るのに最も適した環境というわけではないが、第二次世界大戦を描いた名作『ほたるの墓』が出たことを考えれば、歴史的に映画製作についてそれだけの腕前がないということではない。

Fukushima50が『ほたるの墓』にも『チェルノブイリ』にもなれていないのは残念なことだ。

ジャンマリー・タン(シンガポール・ニューペーパー紙)
2011年の福島第一原子力発電所の事故を直接描いた最初の日本映画として、現場に留まり最悪の事態を回避することを選んだ従業員グループの名誉ある実話を、この慎重に消毒されたパッチワーク的な構成で語る理由はほぼ理解できる。

メルトダウンは非常に穏やかに処理された、穏やかすぎるほどに。

災害ジャンルの作品を真に効果的で説得力のあるものにするためには、いくつかの要素が必要不可欠だ。

人間の緊張、サスペンス、行動。

しかしFukushima50にはこれらの側面が悲劇的なまでに不足している。

カミカゼにも似た無私無欲な英雄たちの姿は、物語の進行と共にいくらか観客の心に蓄積されはするが、原子炉を冷却し、5日間の試練のうちに大規模な放射能汚染を回避しなければならないというのに、彼らのそうした勇気ある努力に見合うだけの危険性と切実さが見えてこないのだ。

実際、視聴者が実際に状況を真剣に受け止めるためには、たとえば画面上で手足がもがれたり、大切な何かが失われたりといったドラマが必要だったりする。

Fukushima50では、ベテラン俳優の佐藤浩市や渡辺謙がいくつかの魅力をもたらすが、彼らでさえ、心を揺さぶられたり涙を流したりするシーンがない。

渡辺は彼自身が上司に対して完全な軽蔑を放つ決断のシーンが1つあるが、期せずしてそれは作中最も面白いシーンとなっている。

代わりに、東京電力と日本政府との間の対立が激化する中であまりにも多く目にするのが、どこまでも命令に従うことを続けているシャイな日本人男性たちだ。

しまいには首相までもがコミカルな愚か者に見えてしまっている。

Fukushima50は、未来の世代が歴史を学べるという観点においてはまだ貴重な警告物語であるが、皮肉なことに、提供できるのは薄っぺらな映画体験に留まるだろう。

より深い影響を与え作品としてパワーアップするためには、はるかに多くの熱量が必要だったと言わざるを得ない。

手厳しいですね。

日本人の弱点を真っ直ぐグサッと突いて来た感じですね。

*尚、それぞれ長いところを一部省略または編集させていただきましたので予めご了承ください。参照サイトはまとめの前にリンクを貼付いたしました。

 

海外の反応をツイッターから紹介

ここからは海外の反応でも一般の観客・視聴者からの反応をツイッターの声からご紹介します。

このツイートはアラブ首長国連邦の方のようですね!

ツイート文をGoogle翻訳で訳出してみました。

アラビア語のツイート原文:2020افضل الافلام اليابانيه لعام

日本語訳:2020年最高の日本映画

(訳出:Google翻訳)

2020年最高の日本映画10本の紹介をしてくれてるんですね。

なるほど・・・納得の10本。

9番目に『Fukushima 50』が入っていますが、別に9位っていう意味ではないみたい。

次のツイートからは、元ツイート→訳出、の順で紹介していきますね。

日本の福島のヒーローたちを描いたこの映画は、「独りよがり」じゃダメだって警鐘を鳴らしてる。観るのが楽しみだよ。

友達にFukushima50を観ろって勧めたの。

わたし達はみんな、福島原子力発電所のエンジニアグループの人たちに感謝すべきだと思うわ。

自分の身も顧みずプロとして献身し、炉心を大規模なメルトダウンと壊滅的な水素爆発から救ったのよ。

2020年3月6日に日本映画の『Fukushima50』が劇場公開されるんだって。

超良さそうな映画だよ!

映画館から帰宅したばかりなう・・・『Fukushima50』を観てきたよ!!

まぁすんごい、いい映画だったんだけど!!

日本のカッコいいおいちゃんたち、どこに隠れてるのさ!?

『Fukushima50』って『アルマゲドン』みたいだな・・・ただ、今回は闘う人が200人もいたけど。日本人ブルース・ウィリスが200人。こういう映画も面白い発想だね。

ブルース・ウィリスが200人、って良いですね。

嬉しい発言だけど、”面白い発想”じゃなくて、ノン・フィクションなんだけどね。 😉

参照サイト一覧
  • https://psychocinematography.com/2020/07/22/fukushima-50-2020-review-japan-cuts-2020/
  • https://www.japantimes.co.jp/culture/2020/03/05/films/film-reviews/fukushima-50/#.XmGmzL5KhaQ
  • https://www.cinemaescapist.com/2020/07/review-fukushima-50-movie/
  • https://www.tnp.sg/entertainment/movies/movie-review-fukushima-50

 

まとめ

いかがでしたか?

Fukushima50についての海外の反応をご紹介しました。

ロッテントマトはあてにならない、という口コミもよく耳にしますが、映画評論家の辛口コメントも、この場合は勉強になるなぁ、海外からは日本はこんな風に見えてるんだな、と個人的には思いました。

いずれにしろ、3.11をありのまま伝えている映画としては評論家たちも一律、評価してくれていましたね。

ツイッターからご紹介した海外の反応では、軒並み高評価でしたョ。

一般の視聴者、観客は見応えのある映画と認識してくれているようでした。

Fukushima50、日本人にとっても貴重な映画ですので、是非観てみましょう!

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