『ゴッドファーザー2』は、登場人物が多い上に話が複雑で難しいと感じる人が多い映画でしょう。
今回はこのややこしく入り組んだストーリーについて下記の2つを解き明かし、ネタバレ解説していきたいと思います。
- 襲撃犯と黒幕は誰か?
- 裏切り者は誰か?
これらは全てマイケルのパートの謎ですね。
ヴィトのパートは話そのものはシンプルでわかりやすいと思うので、あらすじと人物相関図、登場人物について知りたい方は下記の記事をご参照ください。
>>ゴッドファーザー2相関図とあらすじ・登場人物を紹介
もくじ
謎1ネタバレ解説:襲撃犯と黒幕について
ゴッドファーザー2より、マイケルと若き日のヴィトー・コルレオーネ pic.twitter.com/LQRb9Eexhq
— walk in cinema (@walk_in_cinema) November 17, 2019
まず最初に答えを言いますが、『ゴッドファーザー2』の黒幕はハイマン・ロスです。
マイケルを手下のジョニー・オーラに襲撃させた犯人もハイマンロス。
まずは黒幕ロス側の動きと一連の抗争のからくりについて解説していきます。
ラスベガスでリゾート王となったマイケル・新たなカジノ乗っ取り計画
今作マイケルの大きなテーマは、新規カジノ事業です。
前作『ゴッドファーザー1』のラストでNY5大ファミリーのドンとモーグリーンを一掃したマイケルは、強大な力を手にするマフィアのドンに成長していました。
今やラスベガスとリノでホテルを4つ経営するリゾート王に。
マイケルが新たに狙っているカジノはクリングマンという人物が経営をしていますが、裏ではマイアミのマフィア、ハイマンロスの息がかかっています。
ロスの承諾なしにマイケルがこのカジノを乗っ取ることは難しいのが現状でした。
幸運なことにハイマンロスは、部下のジョニー・オーラを通じて、マイケルに協力するつもりだと伝えてきます。
ロスがうんと言えば、このカジノ奪取計画は成功したも同然です。
マイケルとしては、このままロスと良好な関係を築いて、予定通りカジノを手に入れたいと考えていました。
しかしそこに、頭の痛い問題が浮上します。
フランク・ペンタンジェリとロサト兄弟の抗争です。
フランク・ペンタンジェリとロサト兄弟の抗争
フランク(フランキー)はヴィトと一緒に創業したピーター・クレメンザの後任として、NYを支配するファミリーの幹部となりました。
ちなみにクレメンザは最近他界し、オープニングではフランクとボディガードのチッチが腕に喪中を示す黒い腕章をしています。
表向き心臓発作だったという話になっていますが、実際はロサト兄弟による暗殺だったのかもしれません。
いずれにしろフランクは、ロサト兄弟もその上にいるジョニー・オーラやハイマン・ロスのことも全く信用していないのです。
ロサト兄弟はクレメンザから生前、NYの縄張りの一部を譲り受けたと主張していますが、フランクは
と考えています。
勝手な言い草で自分の縄張りを荒してくるロサト兄弟を倒したいフランクはマイケルに戦争の許可を求めますが、マイケルは許しません。
カジノ計画がある手前、ハイマンロスの配下にいるロサト兄弟とフランクがもめ事を起こしては困るのです。
その後マイケルの頼みにより、フランク・ペンタンジェリはロサト兄弟と和解しようと決意しますが、和解の席に出向いて行って逆にロサト兄弟から首を絞められてしまいます。
ロサト兄弟はこの時「マイケルがお前によろしくってよ!」と言い放ちますが、これはつまり「お前を葬れとマイケルに頼まれたんだ」とフランクに嘘を吹きかけ、二人を仲違いさせようと仕組んだのです。
ハイマンロスの真意とは?
一方のハイマンロスは、部下のジョニー・オーラを使いに出してマイケルに協力の意思があることを伝えました。
表向きマイケルを立てて自分の後継者のように手厚く扱っているように装っていますが、真意は真逆です。
マイケルが『ゴッドファーザー1』の最後でモーグリーンを討ちましたが、あれがハイマンロスには気に入らなかったようです。
ハイマンロスはモ―グリーンに目をかけており、友人を討ったマイケルを、あの手この手でいつか陥れようと画策していたのでした。
ロサト兄弟を使ってフランクを襲い、マイケルとの間に亀裂を生じさせようとしたのは他ならぬハイマンロスでした。
マイケルの寝室を銃撃したのも同じくハイマンロスです。
実際に計画を実行に移したのは、ロスから指令を受けた部下、ジョニー・オーラ。
そしてあろうことか、その時マイケルが自宅の寝室にいることをジョニー・オーラに漏らしたのが、マイケルの兄フレドだったのです。
謎2ネタバレ解説:裏切り者は誰だ?
ゴッドファーザー2のオフショットではこれが一番好きです✨
さらに言うとヴィトがシチリアに帰る時のこの服装がめちゃくちゃ好き。#ゴッドファーザー #映画好きな人と繋がりたい pic.twitter.com/vXeamlrMGe
— 公式 マフィアグッズ専門店 ジャパンマイヤーランスキー (@jpmeyerlanskytm) December 29, 2020
マイケルがどのようにして2代目ゴッドファーザーに就任したのか、覚えていますか?
初代ゴッドファーザーの父・ヴィトの仇として、マフィアとズブズブの関係にあった警部マクラスキーと手下にヴィトを襲わせた犯人ソロッツォを倒し、マフィアの世界に入りました。
その後、シチリア島に亡命している間に長兄ソニーが撃たれ、新妻アポロニアも喪ったマイケルはニューヨークに戻り、ヴィトから正式に2代目として家督を任されたのです。
本来であれば次兄のフレドが2代目に君臨するはずでしたが、そうならなかったのは・・・父・ヴィトの目から見てもフレドにはとても任せられなかったからです。
父ヴィトが銃撃を受けた際も、フレドはその場にいたにもかかわらず取り乱して何もできませんでしたね。
しまいには倒れたヴィトの側に泣き崩れて「パパ、パパ・・・」と呼ぶばかり。
そんなフレドが、マイケルの所在をジョニー・オーラに漏らしたのはどういうわけだったのでしょうか?
フレドはハイマンロスと手を組んでマイケルを倒し、家督を奪い返すつもりでもあったのでしょうか?
裏切り者は兄フレドだった・・・悲しすぎる結末
「弟マイケルを倒してゴッドファーザーの地位を我がものにする」・・・そんなことができるくらいなら最初から、父ヴィトがフレドをファミリーのドンとして指名したでしょう。
もともと父ヴィトはダートマス大学の秀才、三男坊のマイケルにだけは汚れた稼業を継がせたくはなかったのです。
しかしマフィアの世界は知力・才覚とともに生死をかける厳しさを必要とします。
次男フレドにはその器がありません。
フレドは優しく繊細すぎて、およそマフィアには不向きな男なのです。
フレドは2代目になれなかったことを悔しがってはいましたが、特にマイケルを裏切るというつもりはありませんでした。
ただとにかく心が弱くて脇が甘く、才覚がない人物なので、ジョニー・オーラの口車にまんまと乗せられてしまったのです。
ジョニー・オーラはフレドにこう言います。
そこにはフレド、おまえのために素晴らしい役回りも用意されているんだよ。
だから早く話をまとめられるよう、協力して欲しい。
頼むよ。
そして、この言葉を本気にしたフレドは、ジョニーに訊かれるままにマイケルの予定を教えてしまったのです。
その後マイケルが銃撃を受け、自分が口を滑らせたせいで弟が狙われたのだと理解したフレドは、それ以上は口を開くまいとしました。
したのですが、ジョニーはなおも友達の振りをして電話をかけて来るのです!
ジョニーと内通していることをマイケルに知られたくないフレドは、ハイマンロスの誕生日を祝うパーティで一同が顔を合わせた際、ジョニーとは初体面のふりをして挨拶を交わしました。
しかしお馬鹿なことに、その後のハバナ・ショーで雑談をしている際に、マイケルがその場にいることも忘れて、うっかりジョニーと親しいことを自らばらしてしまったのです。
真相を知ったマイケルは後日フレドと話をしますが、その時フレドから出てきた言葉はファミリーのことなど微塵も考えない身勝手で幼稚なものでした。
弟のくせに俺の面倒を看るなんて言うな。
俺だってできる、俺だって尊敬されたいんだ!
これを聞いてマイケルは、もはやフレドとは縁を切るしかないと思い、そう告げます。
金輪際、お前の顔は見たくない。
俺の前から立ち去ってくれ。
話を聞いていたボディガードのアル・ネリには
と耳打ちしますが、これはつまり「ママ・コルレオーネが他界したら、フレドを始末しろ」という指令だったのです。
悲しい結末・・・マイケルにはファミリーを守ることが彼の責任であり使命です。
残念ですが、相手があまりにも稚拙な兄フレドではもはや話にならず、足手まといになるばかりだったのです。
自分のことしか考えられない幼稚な兄フレドは、自分がファミリーにとって危険な裏切り者となってしまっていることにさえ、気づけていなかったでしょう。
まとめ
ゴッドファーザー2/ヴィトー
会社では自分の評価に一喜一憂し、他者を優先したり、親身に何かしてあげることはつい疎かになります
それができるのが人徳者です
この映画は「良い例」「悪い例」で、人徳者とは何かを教えます
こんな愛情深く穏やかな表情の大人になりたい#映画好きと繋がりたい pic.twitter.com/c64E6VDqS3
— てんてこまいだ (@pro_yakisoba) June 8, 2019
『ゴッドファーザー2の謎ネタバレ解説!襲撃犯と黒幕・裏切り者は誰?』についてご紹介しました。
ゴッドファーザー2の黒幕は、ハイマンロスでした。
襲撃犯もハイマンロス。
ジョニー・オーラはハイマンロスの手下として、マイケルの兄フレドをそそのかし、マイケル襲撃を実行しました。
フランク・ペンタンジェリとロサト兄弟の抗争も、ハイマンロスによって、フランクとマイケルの信頼関係に亀裂を生じさせるためのワナに使われました。
裏切り者は、ジョニー・オーラにそそのかされてマイケルの予定を喋ってしまった兄フレドです。
フレドもフランクも、黒幕ハイマンロスに踊らされて責任を取る羽目になってしまったのです。
なんとも悲しい、ゴッドファーザー2の結末でした。
あいつらが嘘をついて、勝手にやりたい放題やっているだけだ。
そうに決まってる!