映画のETモデルは何?わざとグロいキャラクターに作った理由を解説

映画のETモデルは何?わざとグロいキャラクターに作った理由を解説
Pocket

映画『ET』を観てないという友達に「なんで?」と聞いたら「ETがグロい」と来た。

わかってないね、ETはあの見た目だからいいんだよ。

そうは言っても、映画の顔になるキャラクターなんだから、もうちょっと可愛らしく作れなかったのか・・・『グレムリン』のモグワイみたいに。

そう思ったらETのモデルが何だったのか、どうやって作ったのか、気になって調べてみたよ。

よく調べたらスピルバーグ監督が、わざとグロい見た目に作ったらしいとわかったの。

今回は、ETのキャラクターが出来上がるまでのお話と、わざとグロい見た目に作ったその理由を解説するよ。

納得したら映画を観て欲しいけどね。

 

もくじ

映画のETモデルは何?

スピルバーグ監督はETのキャラクターを着想したモデルは猫の「スフィンクス」だと話してます。

スフィンクスって猫に詳しい人なら誰でも知ってると思うけど、別にスピルバーグ監督の飼ってるペルシャ猫の名前、とかじゃないよ。

スフィンクスっていう種類の猫なんだって。

ただ、映画の制作当時、スフィンクスはまだ世の中に発表されて間もない猫だったので、この猫の見た目を知る人もそう多くなかったらしい。

スフィンクスが世に紹介されたのは1970年代、アメリカのマークスティン夫妻が交配させて誕生したのが現在のスフィンクスの原型となる猫だったそう。

ETは無毛だけどスフィンクスは無毛というわけではない。

ただ体毛は極端に短いのでほぼ無いみたいに見えるそうだけど。

ふわふわな猫に比べて身体を保護する機能が極端に弱いから、暑さにも寒さにも弱く、喧嘩にも弱いんだって。

すぐに怪我しちゃうからね。

寿命は他の猫たちと同じ15年くらいで、買うと平均25万くらいするらしい。

シワが多いほど希少性が高くて、ペットショップではあまり置いてないのでブリーダーから買うことが多いそうだよ。

ETの皮膚と顔の雰囲気は、このスフィンクスっていうネコがモデルになったんだって。

 

ETの皮膚と顔のモデルとなったネコ・スフィンクスの画像

シワがあるほど希少性が高いって・・・たしかにこのシワがこの猫の特徴を際立たせているところだもんね、意味はわかる気がする。

確かに見てるとクセになるかもね・・・顎と首が細くて目が大きくて、ETに似てる感じも確かにわかるね。

ETが出来るまでの話をもう少し詳しく紹介するね。

 

ETのモデルは他にも!グロいキャラクターが出来上がるまで

まず、皮膚の感じとか顔のモデルは猫のスフィンクスから取った。

体毛は無く、目が大きくてシワシワ。

さらに身体の形は「亀」をモデルにしたそうだよ。

「甲羅のないカメ」のようなずんぐりした形に、亀の足みたいなぺたぺたした両足。

首と脚は伸び縮みして、縮めるとほぼ無いくらいに短くなる。

目の表情は主に物理学者のアルバート・アインシュタイン、詩人で作家のカール・サンドバーグやアーネスト・ヘミングウェイの写真から「落ち着きのない目」を再現するようにしたそう。

この3人の晩年の写真で、こういうのをモデルにしたのかなと思う写真がこちら↓

出展:https://note.com/an_life/n/n8d9957e998b2

出展:https://iptc.org/

出展:https://kotodamas.com

アルバート・アインシュタイン カール・サンドバーグ アーネスト・ヘミングウェイ

なぜお三方の「晩年の写真」(ウィキペディアにそう書いてある)から「落ち着きのない目」の参考を取ったのか・・・

これはわたし自身の考察になるけど、こういった真理を追究する職業にいる人は、老い先短くなると余計に探究心が白熱してくるのかな、って思う。

焦りもあるのかな、より広く深く大きな真実を見ようとして「落ち着きのない目」になるんじゃないかな?

わからないね・・・まだそこまで生きてないから・・・でもこの世の中の常識なんて枠を飛び越えた先を見てるという意味では、確かにETと同じ目をしていたかもしれないね。

 

ETの眼球はガラス製

スピルバーグ監督は、ETの目をプラスチックで作ったらそれが気に入らなくて、眼球だけはガラス製にしたそうだよ。

瞳の輝きや奥行きが、プラスチックではどうしても表現できなかったらしい。

ちなみにETの目は離れてるから、中に入っていた俳優の3人はETの両目から外を見ることはできなくて、片方から見るしかなかったんだって。

 

完成したETはやはりグロかった

完成したETは、案の定グロかった。

監督の指示通りに試行錯誤して作ってはみたが、やはりグロい。笑

作ったクリエイターが心配して、スピルバーグにこう進言したそうだよ、

「これじゃ子役が怖がっちゃうんじゃ・・・」

するとスピルバーグは

「いや、これでいいんだ。」と。

きっぱり断言したんだとか。笑

 

映画のETをわざとグロいキャラクターに作った理由を解説

スピルバーグ監督にはETを、一目惚れするような可愛らしい見た目にしようなんて考えはなかったそうだよ。

この映画が、当時政府から予算がどんどん縮小されていた宇宙計画へのメッセージとして作られたっていう話は聞いたことある?

スピルバーグ監督は「科学者が宇宙を探求しないなら、自分が映画を通して、(子供たちの)宇宙への関心と想像力を掻き立てなきゃいけない」とコメントしていた。

だからETはリアルな見た目にしなきゃいけなかったんだって。

リアルって言っても、本物の宇宙人を見たことがある人はほとんどいない世の中なんだから、「おそらくこうだろう」的なイメージを形にしたっていうことなんだけどね。

 

ETが可愛く見えてくるのはなぜ?

映画『ET』を観た人たちがETを「可愛い」と言ってるのを聞くけど、なんでだと思う?

わたしも最初は「こんなの可愛いと思わな」かった。笑

それがストーリーを追っていくごとに、本当にETが可愛く見えてきて、仕舞には愛おしく感じるようになってしまったの。

特にETが生き返ったシーン・・・エリオットがドライアイス漬けになったETのカバーを開けるとETが大声で「ETフォン ホーム!ET フォン ホーム!(ET ウチ デンワシタ)」と騒ぎだすの。

必至に黙らせようとするエリオットがETの口を押えるところなんて、ぐいぐいエリオットに感情移入しちゃってね!

ETが可愛くて可愛くて、生き返ったのが嬉しくて、一緒に狂喜乱舞だよ。笑

それって、ETに愛情が芽生えたってことだと思うんだ。

少なくとも、演じていた子役たちにはそういう現象が起きていたんだって。

それこそがスピルバーグ監督の狙いだったというから、すごいよね!

 

ETへの愛情が芽生えることで可愛く見えてくる

映画『ET』は、子供たちとETとの出会いと友情を描いたストーリーだから、スピルバーグ監督はそこを最大限自然に撮るように注意したそうだよ。

初対面の時に第一印象がブサイクでも、相手のことを知るうちに笑顔や表情や仕草が可愛く見えてくることってあるよね。

ETに出演した子役たちにもETに対してそういう風に感じて欲しかったらしい。

つまりシーンの撮影が進むごとにETと過ごす時間が長くなり、ETの表情や仕草に親近感を覚えて、子役たちが本当にETを大好きになるように仕向けたんだって。

だからETは、造作よりも表情や仕草が、お茶目で愛らしい印象を作ってるんだよ。

「ETがグロいから観ない」じゃなくて、映画を観れば「ETってすごく可愛い奴だってことがわかる」っていうことなんだ。

 

まとめ


映画の『ET』のモデルが何だったか、大分わかったでしょ?

皮膚と顔の感じはスフィンクスっていう種類の猫、身体は「甲羅のないカメ」、目の表情はアインシュタインとヘミングウェイとサンドバーグのミックス。

コンセプトは「落ち着きのない目」だって。

スピルバーグ監督がETをわざとグロいキャラクターに作った理由は、なるべく宇宙人をリアルに表現したかったから。

そしてETという個人のキャラクターをお茶目にすることで、表情や仕草が見ているこちらをくぎ付けにするような可愛さになるように作ったの。

だから映画『ET』を観ないと、ETのほんとの可愛さはわからないんだよ。

そう言ってもう一回、友達に「ET観たほうがいいよ!」って言ってみようと思うよ。