首都直下地震が起きた場合、火災旋風という二次被害が想定されます。
今回は『首都直下地震火災の被害想定は?対策・アクションプランを解説』をテーマに、首都直下地震が起きた場合に備えて、どんな対策が必要なのかアクションプランをご紹介します。
被害想定は内閣府から公開されているデータを元にしています。
地震で火災が起きるというのはよく聞きますが、火災旋風とはどういう現象なのでしょうか?
火災旋風が起きるのはどんな状況の時かを把握して、ご自宅でできることを考えましょう。
もくじ
首都直下地震火災の被害想定は?
最近関東地震多くね?って思ったらみんなに呼びかけたいからリツイート
って瀬戸内海って
南海トラフくんじゃないの?
関東、南海はえぐいて… pic.twitter.com/lz5Wi76oYh— さとりゅー (@satoRyu_1226) December 4, 2019
下記は内閣府が公表している首都直下地震が起きた場合の建物の全壊・火災焼失による被害想定です。
冬場の夕方18時、風速8m/sの風が吹いていると仮定した場合の被害想定です。
同じ冬場の夕方18時でも、風速15mの場合だと被害想定は最大となり約85万棟と推定されるそうです。
衝撃は甚大ですね。
ただし、最大85万棟の被害が出るとしても、そのうち73%は「火災焼失」との予測も出ているそうです。
つまり火災を防ぐだけで、単純に7割以上の被害と死傷者を未然に防げるということです。
そして、火災は防ぐことができます。
と同時に、火災は「どこででも発生し得る」という危険な側面を持っていることを、重々心得ておかなくてはいけません。
火災についての対策が決して他人事ではないと思われるのは、大地震の際には『火災旋風』が起きるかもしれないからです。
『火災旋風』は元々火災が起きていない、他の住宅や建物までも巻き込んで全焼させてしまう現象です。
どのようなことなのか、もう少し詳しくご説明します。
火災旋風とは?発生条件や逃げ方安全な場所について解説
火災旋風とは地震などの災害時に広範囲に起きる火災や山火事によって炎の竜巻が起こる現象です。
方々で火災が起きると、それぞれの火災が周りから酸素を取り込んで燃え上がるため、そこに局所的な上昇気流が発生します。
詳細なメカニズムは解明されていないとのことですが、同じように近い距離で発生した上昇気流がお互いに吸い寄せられて大きく発達し、巨大な火柱となって移動するということのようです。
火災旋風は、高さ20~30メートル、直径数十メートルの巨大な火柱となるともいわれています。
これまでも広島・長崎の原爆投下時や1923年の関東大震災で発生しました。
一度火災旋風が起こると、火柱の通り道にあるものは全て焼失してしまうだけでなく、人や車は炎の竜巻に巻き上げられてしまい、また直接旋風に当たらなくても輻射熱により人命が失われることも必至です。
もう1つ注意したいのは、火災旋風には2種類あって、1つは炎の色をした赤い火災旋風、もう1つは黒煙の柱となった火災旋風です。
黒煙の火災旋風は炎の色をしていなくても同じように高温で危険ですが、特に夜などは目視しにくいため上手く避けるには十分な知識が必要です。
首都直下地震火災旋風の対策・アクションプランを解説
火災による火傷の治療は最も多くの人員を必要とします。首都直下地震ではただでさえ医師が足りず、他の人の治療が遅れる原因になります。あなたの家から発生した火災が、多くの人に迷惑をかけ、最悪助かる命も奪ってしまうことを知っておいてください。#nhkスペシャル #火災旋風 #首都直下地震 pic.twitter.com/AmJkBfHZdw
— 人が死なない防災 (@bosai_311) December 3, 2019
火災旋風の被害から身を守るためには主に2つの対策が必要となります。
- 火災旋風を目撃した場合の対処の仕方を知る
- そもそも火災を起こさないようにするための防火・初期消火対策
まず火災旋風を目撃したら、一刻も早く近くの鉄筋コンクリートの建物内に避難してください。
極力建物の奥に移動し窓からは離れて身をかがめます。
しかしもっと大事なのは、火災旋風を見る前に、広域避難所に一刻も早く非難することです。
火災旋風とその輻射熱から身を守るためにはおよそ10ヘクタール・東京ドーム2個分の広さのある場所が必要だといいます。
地震発生からの行動フローを解説
地震が発生してからの行動のフローは下記の通りです:
地震発生から1~2分・・・屋内の落下物から身を守る。テーブルの下に隠れるなど。
地震発生から2~5分・・・火の元確認。ガスの火を止めるのもこの時。大きく揺れている間は危険なのでまずは自分の体を守ります。
地震発生から5~10分・・・家族の安全を確認&避難経路の確保。落下物で足を怪我しないよう靴やスリッパを履いて移動します。
地震発生から10分~・・・近所で倒壊している家屋がないか、火災が起きていないか、ご近所さんは無事かの確認をします。
この流れで、周囲に木造建築が多い地区では速やかに避難を始めましょう。
特に危険区域とされているのは下記の地区です:
東京で最も地震に脆弱な地域ランキング
1位 荒川区 町屋4丁目
2位 足立区 千住柳町
3位 荒川区 荒川6丁目
4位 足立区 千住 大川町
5位 墨田区 墨田3丁目
6位 北区 志茂4丁目
7位 墨田区 京島2丁目
8位 江東区 北砂4丁目
9位 大田区 羽田6丁目
10位 足立区 千住 元町
(引用:東京都都市整備局2018年2月資料)
木造の旧住宅が多い地区です。
古き良き日本の下町的な雰囲気が素敵なところが多いですが、安全のためには耐震と防火対策を今から始めて欲しいと切に願う地域です。
耐震はそこに住んでいらっしゃる方自身を守るため。
防火は、防ごうと思えば防げるからです。
火災を防ぐための点検・工夫
火災はほとんどが防げると思ってください。
耐震と防火、この2つが準備できていれば大地震が起きても想定されているような甚大な被害は出なくてすみます。
下記は、大規模地震が起きた時の発火原因についてのデータをグラフにしたものです。
阪神淡路大震災では全体139件の火災のうち85件、60%が電気関係の発火でした。
これらは例えば下記のような原因で出火します:
- ヒーターや白熱灯が落下もしくは転倒し、洗濯物やこたつ布団など燃えやすいものに接触して発火
- 停電後復旧した際に家電製品の古いコードが断線して発火
- 家屋の天井裏を渡っている配線が地震により損傷して発火
そのため、まず燃えやすいものを電気製品の近くに置いたり、落下したら接触する危険性がある場所に置いたりしないことが重要になります。
そしてもう1つ重要なことは『感電ブレーカー』の設置です。
すでにお伝えした家電製品やコードの損傷による発火を防ぐには感電ブレーカーが非常に力強い味方になります。
震動を感知して自動でブレーカーが落ちるようになっているので、発火する前に電源が切れるという優れものです。
また、損傷したコードによる発火は、停電が解消した際に起きるので、ブレーカーを上げる前にご自身で家中の電気コードの安全を確認してから通電できます。
こちらでご紹介している感電ブレーカーは業者に来てもらう必要もなく、ご自身で設置することができ価格も3,480円と大変手ごろなのでおすすめです。
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感電ブレーカー設置と共に一度点検してほしいことは、天井裏の配線が古くなっていないか、脆くなっていないかを業者に確認してもらうことです。
官公庁からの依頼も受けているという『街の電気屋さん』では依頼された工事・作業の6割が5000円~1万円ほどで済んでいるとのことです。
即日サービスを受けられてアフターフォローもしっかりしているようなので、おすすめです。
ご自宅の電気について確認・修理・交換をお願いしたいなら問い合わせしてみてもよいですね♪
ここまでやってももしも出火してしまったら、その時出番が来るのは消火器です。
消火器については木造建築や耐震構造に限らずどこの家庭にも1台設置しておくことが重要な防災になります。
大きな揺れが収まったらすぐに、電気の安全と出火していないかを確認して、万一コンロの火がついていたり電気系統から発火していた場合は速やかに自宅の消火器で消火します。
それにより火災を押さえ、火災旋風という恐ろしい現象を未然に防ぐことができます。
それでうちにも1台買ってキッチンの隅に置いておくにゃ。
いかがでしょうか?
感電ブレーカーの設置と、家の中の可燃物と家電の配置、この2つで出火原因を大幅に減らすことができます。
億劫がらずに今こそ行動しましょう。
備えあれば憂いなし。
人生は危機管理!ですョ。
地区内で火災が起きたら
それでも地区内で火災が起きてしまった場合、周囲に木造建築が多い地区に住んでいる方は、一刻も早く『広域避難所』に移動するようにしてください。
万一、大規模火災に発展するとライフラインが途絶えることもあり、そこで生活することは実質不可能となる可能性が極めて高いそうです。
無事に身を守れたら次は東京を離れることを視野に入れて準備してください。
地方の親戚など、避難できるところをリスト化してあらかじめ頼んでおきましょう。
火災の外に出てレンタカーなどが手配できればその足で、もしくは今のうちから自転車を一台準備しておき、都外に出ましょう。
内閣府から出されている防災・減災対策とその効果予測
まとめとして、内閣府から公開されている防災・減災対策とその効果予測について触れておきます。
これによると、
- 感電ブレーカーの設置と電気発火の防止
- プラス火が出た際の初期消火の成功
この2点で被害の90%以上は未然に防げるという予測結果が出ています。
どうすればいいかわかっていれば、むやみに怖がることはなくなりますね。
是非、みんなで一緒に防災に取り組み、安全な暮らしを守りましょう。
首都直下地震はなぜ起きるのか、メカニズムについては下記の記事で詳しくご紹介しています。
併せてご覧くださいね。
まとめ
昨日から関東地震多くてやばい。
震源は茨城やけど、千葉で体感震度3ぐらいの地震3回とかやめて欲しい(;-ω-)
2月から半年ぐらい千葉常駐するから首都圏直下地震とか勘弁やで。 pic.twitter.com/ZjH7I2vZMV— りってぃー (@midorineko250) December 4, 2019
『首都直下地震火災の被害想定は?対策・アクションプランを解説』をお送りしました。
首都直下地震による火災の被害想定はすでに内閣府から公表されています。
対策・アクションプランをチェックしてご自宅での備えを万全にしましょう。
この対策はとにかく一人でも多くの人が意識して取り組むことで効果が倍増してくるお話だと思います。
自分でコントロールできることはたくさんあるので、迷わずやっていきましょう!