コロナウイルスで外出できない週末、あなたは何をして過ごしますか?
『ミッドサマー』にハマってしまったあなたにおすすめしたい次なる作品は自宅で観よう!
今回は『コロニア映画は実話?登場人物とストーリーをネタバレ解説!』をご紹介します。
人里離れたカルト集団に捕らわれた人々のサバイバル作品はミッドサマーだけじゃない。
映画『コロニア』は実話を元にしたストーリーです。
実在した登場人物と歴史的事実を元にネタバレ解説します。
主演はみんな大好きエマ・ワトソン。
『ストーリー・オブ・マイライフ』も7月に公開が延期されてしまった今、エマの作品を観るならこれしかない!
気になったら、今こそ『コロニア』を観よう!
もくじ
コロニア映画は実話?
エマ・ワトソンやナタリー・ポートマンといったハリウッド女優たちの間でも家で過ごす #IStayHomeFor という動きが見られています。
あなたは誰のために家にいたいと思いますか?? pic.twitter.com/qZmQbMRzZE
— マツ (@SuxD6) March 23, 2020
映画のタイトルともなっている『コロニア』とは、チリのサンチャゴから南に330キロ離れた郊外にあった『コロニア・ディグニダ』という施設を指します。
1961年に元ナチス軍のパウル・シェーファーがドイツ系移民を集めて設立したもので、当時はドイツ人とチリ人が合わせて300人ほど生活していたとみられています。
ここで実際に行われていた拷問や生活の様子を映画に再現したのが、今回ご紹介する『コロニア』です。
実在した人物パウル・シェーファーとは?
パウル・シェーファー(正式名・パウル・シェーファー・シュナイダー)は1921年ドイツ生まれのヒトラー崇拝者でした。
第二次大戦はドイツ空軍に属し、終戦時には軍曹の階級にあったそうです。
戦争が終わるとバプテストの教会と孤児院を設立し、1959年には慈善団体の運営も始めたそうですが、同時に2人の少年への性的暴行で起訴され、シェーファーを信奉する一部の仲間と共に西ドイツを脱出し、チリに入国しました。
1961年、チリで後に『コロニア・ディグニダ』と呼ばれる村を設立し、反共主義(反共産党)を掲げてドイツ系移民やチリ人がそこに入居するようになりました。
この施設は当時、保守的なアレッサンドリ政権の下、国から正式に認可されたもので、敷地内には教会や学校、無料の病院もあり、2本の滑走路や発電所までありました。
地下工場では秘密裡に兵器が製造・備蓄され、人体実験や拷問も行われていたといいます。
シェーファーは他のナチス残党と共に、ここで「ナチスの再建」を目指していたのです。
ナチス信奉の下行われた数々の犯行
1997年、シェーファーはチリ政権下でも再び少年への性的暴行で起訴されます。
施設の学校や病院を利用していた少年たちから証言が出たのです。
シェーファーはまたもや亡命しましたが、裁判では本人不在のまま有罪が確定しました。
その他、1976年に失踪した政治運動家フアン・マイノと、1985年に同じく消息を絶った数学者ボリス・ウェイスフェイラーが共にシェーファーの手により暗殺されたと見られており、シェーファーは身柄を拘束されると生涯拘留されることになりました。
フランスとドイツでも過去の児童虐待疑惑で指名手配を受けていたそうです。
コロニア・ディグニタの実態
映画の舞台となった1973年のチリはピノチェト軍事政権下にあり、9月11日に起きたチリ・クーデターでは実際に反体制派の人々が捉えられ、その多くが『コロニア・ディグニダ』に連行されて拷問を受けていたことが判明したそうです。
聞くだけで怖ろしい施設ですが、コロニア・ディグニダで暮らす人々はどのような生活を送っていたのでしょうか?
シェーファー自身、独裁政治を信奉し数々の虐待や人権侵害を犯していましたが、コロニア・ディグニダでの実態はまさにそれを証明するものでした。
そこはシェーファーの絶対的権力で統治されたカルト教団だったのです。
入居した者は決して敷地から出ることを許されず、周りは高度なセンサーのついた有刺鉄線で囲われており脱出は非常に困難でした。
住民は子供・男性・女性に分けられ、近づくことは許されません。
性欲を抑える薬を服用させられ、子供たちにも鎮静剤を頻繁に摂取させていました。
服装はバイエルンの農民の衣装に統一され、ドイツ民謡を歌いながら日々重労働を強いられます。
テレビや電話など外の世界と繋がるものは遮断され、カレンダーも許されません。
「躾」と称して繰り返される暴力も日常茶飯事でした。
ピノチェト軍事政権が終わり、シェーファーが起訴されて初めて、40年にわたるこれらの実態が判明し、数々の証拠が出てきました。
コロニア・ディグニダの元メンバーからも、児童への性的虐待や人権侵害について正式に謝罪が出るなどしたそうです。
映画『コロニア』では、エマ・ワトソン演じる「レナ」がチリ・クーデターで捕らわれた恋人を救い出すことで、施設の実態を暴きます。
この映画で語られている数々の描写は、実際のコロニア・ディグニダの内情を非常にうまく伝えているといえるでしょう。
コロニア映画の登場人物とストーリーをネタバレ解説!
個人的にエマワトソン様の黒パンツスーツは伝説だと思っているので後世に語り継いでいきたい pic.twitter.com/2eeNE3UJhf
— ましゅまろ (@DS6ce) March 21, 2020
では、コロニアの登場人物とストーリーをご紹介しましょう。
コロニア映画の登場人物を紹介
レナ・・・ルフトハンザ航空の客室乗務員。
ダニエル・・・レナの恋人でジャーナリスト。
シェーファー・・・コロニア・ディグニタの設立者であり、教団の長。
ギゼラ・・・コロニア・ディグニタの女性たちを統括している人。
ウルセル・・・9歳で施設に入所してから外に出たことがない。観察眼に優れ、聡明な人柄。ギゼラの娘。
ドロ・・・入居者のひとり。外の世界を知らない。
ロマン・・・ルフトハンザ航空のパイロットでレアの同僚。
ドイツ大使・・・脱出したレナとダニエルを助けるふりをして空港で出国を阻む。
コロニア映画のストーリーをネタバレ解説
エマ・ワトソン演じるレナはルフトハンザ航空の客室乗務員、恋人のダニエルはジャーナリストで、チリにいた。
1973年の当時、チリは内戦下にあった。
世界初の自由選挙で選ばれた社会主義政権のアジェンデ大統領を、ピノチェト将軍の率いる軍事政権が覆したのだった。
フライトでチリを訪れたレナはダニエルと再会するも、9月11日のチリ・クーデターに遭遇することになり、巻き込まれたダニエルは反体制分子として捉えられてしまう。
ダニエルを救い出そうと、レナは彼のつてを辿って行方を捜す。
すると「一度入れば二度と出られない」と噂される施設『コロニア・ディグニダ』に捉えられているに違いない、とわかる。
レナはこのカルト教団に入信したい信者を装ってコロニア・ディグニダに入所する。
ダニエルはやはりコロニア・ディグニダに捉えられていた。
激しい拷問を受けるも生き延びた彼は、脳に障害を受けて知能が著しく低下した風を装い、施設の一員として生活していた。
人目を凌いで施設の構造を観察し、拷問の証拠となる写真をも手に入れていた。
そしてレナと施設内で再会する。
脱出するための地下通路を発見した二人は、レナが知り合った女性ウルスラを連れて脱走する。
追っ手を振り切り施設外へ逃れ空港へたどり着くも、大使館で施設の惨状を訴えた二人は出国を阻まれた。
ドイツ大使はチリ政府とつながっており、政府とシェーファーはグルだったのだ。
見どころ解説
この映画は、コロニア・ディグニダの設立者、パウル・シェーファーと施設そのものについての再現が見事で、本物そっくりです。
こちらが、パウル・シェーファーの写真。
こちらが映画『コロニア』でシェーファーを演じたミカエル・ニグヴィストの作中のワンシーンです。
施設内の入居者の生活や、性欲コントロールのための薬など、実際に施設で行われていた事実に基づいて制作されているため非常にリアルです。
レナとダニエルは施設を脱走しますが、空港で政府から出国を阻まれる事態になります。
チリ政府はシェーファーと結託して二人を出国させまいとしたのです。
当時チリのクーデターにより台頭していたピノチェト軍事政権は反共産党主義という点でシェーファーと一致しており、コロニア・ディグニタは強い権力を持っていました。
コロニア・ディグニタとピノチェト政府の間には武器の売買があり、施設はチリ警察も拷問に使うなどしていました。
映画の中でレナとダニエルの出国を政府が阻んだシーンは、施設内での拷問や人体実験、人権侵害など公表されては困る事実を封じ込めようとした当時のチリ政府を上手く表現しています。
最後までハラハラして気の抜けないラストです。
2015年に公開された映画ですが、まだ観ていない方は必見です!
「カルト」は元もと悪い意味の呼び名ではなかった?
今でこそ「カルト」というと新興宗教の反社会的な少数派、のような印象ですが、元はそんなマイナスな意味を持つ言葉ではありませんでした。
敬虔なキリスト教徒の中から派生した真面目で素朴な集団ももちろんあって、カルトという言葉にマイナスイメージがついてしまったので、今はそうした素朴で善良な集団のことは「セクト」と呼ぶそうです。
カルト映画の次はセクト映画、ということで、こちらも捨てがたい、面白い映画です。
『目撃者-刑事ジョン・ブック』。
主演はハリソン・フォード。
女性ならちょっと憧れる美しい風景の、アンティークな暮らしをするアーミッシュの人たちが題材になっているサスペンス映画です。
どんな映画か、気になる方はぜひ覗いてみてください♪
まとめ
あと関係ないですけどブラウン大学の卒業式のアカデミックガウン姿のエマ・ワトソン様が鬼可愛いのでここに載せておきますね(目の保養) pic.twitter.com/7nmO0Pg36i
— ゆきまる (@Y_ukimaru) March 24, 2020
今回は『コロニア映画は実話?登場人物とストーリーをネタバレ解説!』をご紹介しました。
ミッドサマーで見たホルガ村はスウェーデンでしたが、映画コロニアの舞台はチリです。
実話を元に作られたストーリーは、施設コロニア・ディグニダとパウル・シェーファーの真実を物語っています。
敢えてラストは省きましたが、登場人物の概要とあらすじはネタバレつきで解説しました。
チリの歴史上「本当にあった恐い話」です。