パプリカ米津玄師バージョンでわかる意味・違いは?アニメや赤いマントからオリンピックへの思いを考察

パプリカ米津玄師バージョンでわかる意味とは?
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2018年の夏にNHKの「2020応援ソング」として発表され、オリンピックの公認プログラムにも認定されたfoorinの『パプリカ』が、公開から1年たった今、新たな話題を巻き起こしています。

今回は、作詞作曲した本人の米津玄師バージョンが公開され、foorinバージョンとの違いや歌の意味に注目が集まっているのです。

「初めて気づいた・・・考察ポイントありすぎ!」とネット上に多くの声が上がっている今回のMVには、赤いマントを羽織った「風の子」が登場するアニメがついています。

今回は、米津玄師バージョンでわかるパプリカの意味・違いについてご紹介します。

アニメだからこそ表現できたオリンピックへの願いや赤いマントの「風の子」への思いも考察していきますので併せてご覧くださいね!

 

もくじ

パプリカ米津玄師バージョンでわかる意味・違いは?

今回公開された米津玄師さんバージョンは、明るくポップなfoorinバージョンとは対照的なしっとり落ち着いた曲調です。

子どもたちが歌うダンス調のリズムとは違って、イントロからしんみり聴かせるメロディで、否応なく歌詞や曲そのものへの意味に心が引かれます。

ネットの声
子どもの頃を思い出す・・・
ネットの声
しっとりしててお洒落な感じ。

そんな声が聞かれる今回のセルフカバーには、和楽器の音色がわりとはっきり聴こえていて、遠い日の祭囃子や民謡など、ノスタルジーを感じるしんみりした曲に仕上がっています。

foorinバージョンでは、スーパーなどで流れてくると「踊り出す子ども」と、踊り出したい「衝動を抑える大人」が続出でした。

それを考えると、同じ曲なのにここまで雰囲気が違うとは、不思議なコンビネーションですよね。

foorinのダンスつきのパプリカのほうが、応援団のパフォーマンスとしては合っていると思うのですが、「何を」「どうして」「どんな思いを込めて」応援したいのか、という曲の願いを知るには、今回公開された米津玄師さんバージョンを観るほうが、理解しやすいでしょう。

管理人:かにゃ
関係ないけど、米津玄師ってほんと夜神月みたいだね・・・短い髪形ってしてたことあるのかな

 

米津玄師バージョンを怖いと言う人が多いのは本当?

米津玄師バージョンは、特に解説など聞かなくても、聞こえてくる歌詞の羅列から神秘的なストーリーを感じてしまう人が多いのではないでしょうか?

ネットの声
なんか、米津玄師さんのほうの歌聞くと鳥肌たつんですけど・・・なんでかわからないけど、怖い

そんな声があちこちで聞かれるのも尤もかもしれません。

かく言うわたしも、この記事書きながら怖くなって、思わず後ろを振り返ってみたりしましたw

管理人:かにゃ
「誰かが呼んでる」って、誰が?・・・

とか

管理人:かにゃ
「あなたに会いたい」とか「あなたに届け」とか・・・「会いに行くよ」って言ってるけど、結局会えてないんじゃない・・・

って、ベタに思うとね。

普通に考えてこの曲は「もう会えない誰か」に思いを届けようとする、切ない歌なのです。

 

米津玄師さんがパプリカの歌詞に込めた意味とは?

それを裏付けるように。

曲名でもあり、サビの部分でも出てくる「パプリカ」の花言葉は「君を忘れない」だそうです。

この曲のタイトルを「パプリカ」にした理由について米津玄師さんは「パプリカ(の実)が持つカラフルでポップな印象を採用」と答えています。

応援歌としては元気になれる印象でぴったりだと思いますが、この花言葉を聞くと、それだけではないですよね。

歌詞の中にある「思い出のかげぼうし」や「夏が来る 影が立つ あなたに会いたい」は夏になると思い出す”忘れたくないあなた”の存在を歌っています。

折しも、今回の米津玄師バージョンが公開されたのは、長崎に原爆が投下されたのと同じ8月9日でした。

会えない「あなた」とは、原爆で命を落とした多くの犠牲者のことを表しているのです。

「君を忘れない」という花言葉のパプリカ。

「パプリカ」の歌詞より抜粋
パプリカ 花が咲いたら 晴れた空に種を蒔こう
ハレルヤ 夢を描いたなら 心遊ばせあなたに届け

この歌詞には「あの戦争の記憶を決して忘れない。その思いから未来に向けて新しい種を蒔こう。今生きている自分たちが夢を描いてがむしゃらに、夢中になって生きて行ければ、”命を尊ぶ”気持ちがきっと、空で見守る”あなた”にも届く」、そういう思いが込められているのではないか、と思うのです。

 

パプリカ米津玄師バージョンのアニメに出てくる赤いマントとは?

赤いマントは、このアニメーションに出てくる「風の子」が羽織っているものです。

元になっているのは「赤い背中の少年」として知られた谷口稜曄(すみてる)さんの書籍で、「被ばくして真っ赤に焼けただれてしまった背中」を表現しているマントなのだそうです。

やはり「風の子」は原爆で命を落とした子どもの象徴だったのですね。

アニメーションをよく見てみると、この「風の子」の存在に気づいているのは子供と赤ちゃんだけで、大人には見えていないようです。

このことから、「風の子」は「童心」そのものの象徴としても描かれている、と言われています。

このアニメーションが「追悼」を意味しているのがわかる象徴的なシーンは3つあります。

アニメの中の「追悼」を表しているシーン

1.「風の子」がブランコから腕を広げて空中に飛び立つシーン
2.走る馬に「風の子」が飛び乗るシーン
3.夜空に咲く彼岸花が花火に変わるシーン

1.の、「風の子」がブランコから腕を広げて空中に飛び立つシーンには、周りにたくさんの鶴が舞い、あたかも広島市にある「原爆の子の像」のようです。

2つめの、「風の子」が馬に飛び乗るシーンは、お盆の時にお供えする精霊馬に乗って「風の子」が還って来たことを表しているようです。

3つめの、彼岸花は正式には曼殊沙華といい、虫よけになるのでお墓に供えられたのが始まり、と言われている花です。

他にも、花のたくさん入った帽子を風の子に手渡すシーンはお墓参りでお花を供えたことを表しているのではないか、とか、アニメ冒頭の港の風景が長崎湾に酷似している、などさまざまな解釈がされており、反戦への願いを象徴するシーンにあふれたアニメーションになっています。

 

パプリカのアニメに込められたオリンピックへの思いとは

オリンピックは「平和の祭典」とも呼ばれるように、国境を越えて世界中から選手が集まり、共にスポーツで競い合うお祭りです。

選手たちはライバルでもあり、尊敬し合える仲間でもあるでしょう。

戦争は、その真逆の行為です。

パプリカにこれだけの反戦と原爆被爆者への追悼の思いが込められているということを考えると、オリンピックという平和の祭典をずっと守っていきたい、国境を越えてみんなで平和な未来を守りましょう、というメッセージが込められていると強く感じます。

日本がオリンピック招致国になったからには、世界で唯一の被爆国として、アピールできることはしないといけないと個人的にも思います。

世界の人々にもパプリカに込められた思いを知ってもらい、平和について改めて考えて欲しいものです。

 

まとめ

今回はパプリカ米津玄師バージョンでわかる意味と違いについてご紹介しました。

アニメにあった「風の子」の赤いマントに隠された意味やオリンピックへの願いなど、考察すればするほど奥が深い、味わい深い曲であることがわかりますね。

米津玄師バージョンはfoorinバージョンと違い、曲に合わせて踊れる感じではありませんでしたが、アニメを通して赤いマントの風の子への追悼の思いや反戦への願いがよく理解できました。

「パプリカ」はオリンピックの公認プログラムに認定されています。

「2020年とその先の未来に向かってがんばる全ての人を応援する」応援歌として、世界の人にも聴いてほしいし、この曲に込められた思いをそれぞれ考察してみてほしいな、と思います。