メル・ギブソンとショーン・ペンのダブル主演となった映画『博士と狂人』が2020年10月18日(金)から公開されます。
わたしにとってメル・ギブソンのイメージは『パトリオット』や『身代金』、『サイン』などの子供たちを守るために全力をかける「かっこいいお父さん」。
『ハート・オブ・ウーマン』の、女性の気持ちが全部わかってしまう魔法にかかって右往左往するメルも素敵だったな。
しかし最近は「ハリウッドの問題児」なんて異名をとるなど、かつてのメル像が崩れ去るようなニュースも見聞きして、すこしがっかりしていたんです。
それがここに来て今回は、感動のヒューマンドラマを制作したとのことで、とても楽しみにしていました。
世界最高の辞書とされる『オックスフォード・英語大辞典』の誕生秘話が描かれた作品です。
OEDと呼ばれるこの辞書は、英語学習者必携の書といわれており、私自身も愛用していて親近感もあります。
わたしの場合はいずれにしても映画は観るのですが、まずは試写会に参加された方の口コミと感想をチェック。
アメリカで鑑賞された方の評価評判も気になり、海外の反応としてまとめました。
この映画を観るかどうしようか迷われている方の参考にしていただけると嬉しいです。
もくじ
映画『博士と狂人』の口コミ感想を紹介!
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『博士と狂人』は、メル・ギブソンが20年以上も温め、構想を練ってきた映画だそうです。
全米で大反響を得た作品だそうですが、意外にも公開されるのは今回、米国と日本だけ。
日本での反応を見て他国に広げようという作戦でしょうか?
上映館が全国で10館だけ、というのも「テスト的な」意味合いがあってのことかな、とも思いました。
内容的に対象が絞られるのかな、それにしてももう少し広く公開して欲しいけど。
作品名:博士と狂人(The Professor and the Madman)
制作年:2018年
公開年:2019年/アメリカ合衆国、2020年/日本
監督:ファラド・サフィニア(P.B. シェムラン名義)
原作:『博士と狂人 – 世界最高の辞書OED誕生秘話』by サイモン・ウィンチェスター
主演:メル・ギブソン/ショーン・ペン
興行収入:6億5,269万1816円(2020年10月現在)
では、日本での試写会に参加された皆さんがどんな感想を持っているのか、口コミを見てみましょう!
日本での試写会に参加された方の感想・口コミ
しかしメル・ギブソンとショーン・ペンという二人の名優が演じるだけあって全く飽きません。マレー博士の語彙に対する膨大な知識量と情熱には圧倒されます。
そして戦後の後遺症から統合失調症を発症したと思われる元軍医を演じたショーン・ペンは、改めて素晴らしかった!
メル・ギブソンよりショーン・ペンのほうが役柄としては特徴が強いけど、この二人ならどっちがどっちの役をやってもはまったと思う。
ところどころ、ちょっとタイミング良すぎないか?と思う展開があったのは確か。
戦後のPTSDから統合失調症を発症し、人を殺めてしまったマイナー。
治療にあたった医師もまるで人体実験をしているかのような印象で、当時の時代の闇を感じた。看守?のマンシーを演じたエディ・マーサンがとても良かった。
二人の知性あふれる言葉遊びが印象的でした。
しかしあのOEDがボランティアの協力によって作られていたとは・・・今まで知らずにいたとはいえ裏側にこれだけ重厚な物語が隠されていたとは驚きです。
教養としても観ておくべき作品だと思います。
境遇の全く違う二人が言葉によって垣根を超え、心を通わせ絆を育むことができたことを考えると、言葉の力は偉大だ。
刑務官マンシーを演じたエディ・マーサンと未亡人役のナタリー・ドーマーが素晴らしかった。
メインとなるのは、PTSDで人を殺めてしまった元エリート軍医のマイナー氏が語彙の力によって再生していく物語のほうなのかな。
マイナーの発砲で夫に先立たれたメレット婦人と子供たちが、マイナーから読み書きを教わることで世界が広がり、マイナーに愛情を抱くまでに変化したのは感動した。
原作も読みたいと思いました。
メル・ギブソンとショーン・ペンの演技力については皆さん、文句なしに感動されたようです。
刑務所の看守役のエディ・マーサンと、ショーン・ペン演じる狂人マイナー氏のせいで未亡人となったイライザ・メレット婦人を演じたナタリー・ドーマーも素晴らしかったようですね。
映画『博士と狂人』海外の反応・評価評判は?
『博士と狂人』
ショーン・ペンが南北戦争で心病んだ殺人犯、メル・ギブソンが独学からオックスフォード辞典編纂に立つ言語学者を演じる史実ベース作。
言葉への情熱により閉鎖病棟の壁を越え熱い友情を結ぶ物語に絡む、看守の共感や未亡人の赦し、学内政治や編纂過程の格闘など全編に惹き込まれる。 pic.twitter.com/lLbDiQA9l8
— pherim⚓ (@pherim) October 11, 2020
映画『博士と狂人』は2019年すでに全米で公開されています。
現地での評価・評判はどのようなものだったのでしょうか?!
わたしは個人的にメル・ギブソンもショーン・ペンも大好きなので、映画評論家の手厳しい評価ばかりを集めたくはありません。
かといって無視するわけにもいかない・・・ということで、公平に両方集めました。
評論家サイドの評判は『ロッテントマト』から、
一般の観客の生の声はYoutubeやブログのコメントから拾っています。
どちらも見てから作品を観るかどうか決めてもいいですしね。
海外の反応1:映画評論サイト『ロッテン・トマト』での評価・評判は?
アメリカの映画評論サイト『ロッテン・トマト』は、しっかりとした実績を持つ映画評論家の批評と、一般の観客の投票を公平に数値化しているサイトです。
世界一公正な映画批評サイトだともいわれています。
ただしロッテントマトは、批評するためにあるサイトという点で、特に映画評論家からの点数は辛いです。
でもプロ目線の手厳しい批評も、一般の映画ファンの率直な感想も、両方知ることで作品の実像が見えるところもありますよね。
なのでご紹介します。
ロッテン・トマトでの『博士と狂人』のスコアは、このようになっています:
どういうことかというと、
左のトマトメーター(TOMATOMETER)が映画評論家がつけたスコア、
右のオーディエンス・スコア(AUDIENCE SCORE)が一般の観客がつけたスコアです。
トマトメーターは評論家の意見の60%以上が好評価だと合格点として「新鮮なトマト」マークをもらえます。
この場合、
TOMATOMETER:41%(TOTAL COUNT 29)
合計29票のうち好評価が41%⇒ROTTEN(腐ってる)
AUDIENCE SCORE:78%(USER RATINGS 368)
投票した観客368名のうち78%が好評価をつけた⇒FRESH(新鮮)
となっています。
さらに詳細を見てみると:
左のトマトメーターでは:
29人の映画評論家が『博士と狂人』を評論し、12人が好評価(Fresh=新鮮)をつけた反面、それを上回る17人がマイナス評価(Rotten=腐ってる)をつけました。
よって専門家からの評価によると『博士と狂人』は評価が低い作品だった、ということになります。
いっぽう右のオーディエンス・スコアでは:
368人の観客が投票し、その78%が5点満点中3.5以上の好評価をつけました。
観客全体がつけたスコアの平均は3.92だったので、かなり評判が良かったということになります。
ここまで見ると映画『博士と狂人』は、専門家と一般のお客さんの間で評価が分かれた作品だと言えるのがわかりますね。
『博士と狂人』映画評論家の意見とは
具体的に、映画評論家たちは何とコメントしているのでしょうか?
いくつかご紹介します。
言語の持つ絹のような、繊細な美しさを表現したかったんだろうけど、あれじゃまるで喉で固まっちまった鉛をやっと口から吐き出すような感じだったよ。
確かにとっ散らかってるし凝り過ぎてる感じもするけど、OEDの誕生秘話としてはこの映画はやっぱり魅力的だよ、なにしろ原作が良かったからね。
海外の反応2:米国での観客の評価評判を生の声から紹介
ひとつ納得が行かなかったのは、どんな映画にも出てくるお決まりの悪役だ。
今回はマレー博士たちのプロジェクトを邪魔しに入る奴がいるんだけど、自分も同じ言語学の世界にいながら、こんな尊い研究を潰しにかかろうとする意図が全くわからない。
僕だったら協力して一緒に日の目を見たいと絶対思うと思うから、その点が共感できなくてずっと引っかかった。
ちなみに彼のスコットランド訛りは、スコットランドで生まれたわたしよりネイティブだったわ。
彼は偉大な俳優だよね、スコットランド訛りはへたくそだったけど。
ちなみにメル・ギブソンのスコットランド訛りについては評価が分かれていました。
日本語でも方言は難しくて「あの人の東北弁は上手い」とか「下手だ」とか言いますものね。
どこの国でも一緒ですね~。
ストーリーが「狂人」と「博士」の間を行ったり来たりしてつなぎがスムーズでない気がするし、二人の関係性がそこまで密になる過程がよくわからなかった。
事前のプロモーションも足りなかったし、不当に低い評価がつけられてる。
ショーン・ペンはあんなに素晴らしかったのに!
彼は年を経るごとに良くなっていくね!
特に主役の3人が本当に良かった。
始まってすぐに引き込まれて、夢中になって観た。
わたしは本も言葉も大好きだから、このOED誕生秘話が映画になってくれたのは嬉しい。
繰り返し観る1本になると思う。
子どもの頃、必読本みたいに与えられて原作を読んだけど、あの頃自分が思ったよりずっと多くの意味があったんだと映画を観てわかった。
映像も音楽も素晴らしかったし、演技は言うに及ばず。
オスカー取ってもおかしくない作品だと思う。
トップ批評家の意見が理解できないよ、どういうのが「ロッテン(腐ったトマト)」なのか本当にわかってるのかな・・・
ここまで、賛否両論の海外の反応をご紹介しました。
なんとなく、「とっ散らかってる」とか「つなぎがスムーズでない」という感想が出る辺りが、原作の内容を全部盛り込むのに相当苦労したのかなという推測にはつながりますね。
でもメル・ギブソンとショーン・ペンは良かったらしいです。
日本の観客の皆さんからは看守のマンシーを演じた俳優エディ・マーサンにも注目が集まっていたようですね。
まとめ
世の中では「鬼滅~」の上映にザワザワしていますが、私は「博士と狂人」一色です(こちらは1ヶ月遅れですけどね) pic.twitter.com/Xs410jwS6s
— くま (@chebuno_odekake) October 13, 2020
映画『博士と狂人』は、メル・ギブソンが20年以上も構想を練ってきた渾身の一作だそうです。
試写会に参加された方たちの口コミ感想によると、メル・ギブソンとショーン・ペンのふたりについては圧巻の演技力だったようですね。
海外の評価・評判は、アメリカの映画批評サイトのロッテントマトから、専門家の意見とスコア、観客のスコアをご紹介しました。
アメリカの方たちの一般的な映画ファンとしての感想は、ロッテントマトのコメントやYoutube、ブログなどから生の声を拾っています。
『博士と狂人』は専門家と一般客の間で評価が分かれる作品でしたが、どちらの意見も参考にして、本編に足を運ぶかどうか、決めてくださいね♪
辞書編纂の苦労が描かれたシーンは観ているこちらにも同じ苦しみを感じさせるような描写だった。
探しても探しても言葉が見つからない、果てしなく続く作業。
実際にはここで描かれた以上に気の遠くなる苦労があったろう。
お気楽に観られる娯楽作ではないが、非常に見応えのある素晴らしい映画だった。