両親が館山に引っ越すことになり、行き場を失いかけたみくりは、家事代行スタッフとして雇用してくれた平匡さんに”契約結婚”の提案を持ち掛け、住み込みで働くことになります。
「契約内容」だの「労働環境」だの、「雇用主」だのと、お互いへの思いより先にビジネスパートナーとして関係をスタートさせてしまったばっかりに、みくりと平匡はすれ違いっぱなし。
このじれったいモヤモヤするドラマのどこに、日本中をトリコにする魅力があったのでしょう?
今回は『平匡はみくりをいつから好きになった?逃げ恥の魅力と見どころを紹介』のタイトルで、「特別編」放送に際して逃げ恥の見どころはどこなのか、ご紹介します。
何考えてるかわからないくらいクールで無表情な平匡は、みくりのことをいつから好きになったのでしょう?
そしてふたりを取り巻く彩り豊かな人間模様と、このドラマに普遍の「あるテーマ」にも注目です。
もくじ
平匡はみくりをいつから好きになった?
ハグの次はキスですかあああ #逃げ恥 pic.twitter.com/iQeGWtASqc
— 新垣結衣fanpage (@__YUIPAGE) November 15, 2016
クールで無表情なみくりの雇用主の平匡。
彼がみくりを好きになったのはいつなのか?
この問いについて、いろんな人がいろんな意見を表明しています。
しばらく寝てて熱が下がった平匡が目を覚ますと、部屋の外からまな板を叩いたり卵を溶く音が聞こえてくる。
しばらくするとみくりがお粥を持って部屋に入って来て、平匡の頬に触るとびっくりして、思わず平匡は目を開ける。
あの時もう、みくりに触れられてドキドキしてたんじゃないかな?
朝、マンションを出た時に思わずくず折れて「か、可愛い・・・!!!」と平匡の声ナレーションが入るシーンがあります。
「以前からけっこう可愛いとは思ってたけど、最近はもうとてつもなく可愛いんじゃないかと思い始めている。認めざるを得ない。これはもう・・・これはもう・・・!!」と心で叫んで、その後車にひかれそうになるシーンです。
どれもその通りですよね。
わたしは、恋愛に発展する人間関係には次の3つの要因があると思います:
- 相手の外見や雰囲気が魅力的
- 尊敬できる人物である
- 相手と価値観を共感できる
平匡がみくりをいつから好きになったのかも、この3つの点からひも解いていけると思います。
平匡がみくりに好感を持ったきっかけ1:第一印象
わたしも、平匡は一番最初にみくりがマンションに来た時から、みくりに好感を抱いていたと思います。
見た目の可愛さもさることながら、みくりには平匡が好感を抱く要素が最初からありました。
家事代行の初日、みくりに指示を出した平匡は、家の鍵まで手渡してこう言います。
不採用ならそれっきり、2度とお会いしなくて済むように。
不快だったら、すみません。
確かにちょっと感じ悪いだろう、と思うこの一言に、みくりは
指示も的確で、とてもよくわかりました!
と笑顔で返すんですよね。
平匡は一瞬戸惑ったような顔をするのですが、あの瞬間がすでに、みくりと価値観を共有できた最初だったと思います。
一般的には感じの悪い提案でも、仕事を効率的に無駄なく進めるためには合理性も重要なポイントです。
彼自身、会社で最も優秀なエンジニアなので、仕事の流儀にはプライドを持っていると思います。
ビジネス上、相手との心理的ストレスを最小限にしようとした発言に対して「素晴らしい!」と賛同してくれたみくりには「話がわかる人」という印象を持ち、親近感も沸いたのではないでしょうか。
平匡がみくりを好きになったきっかけ2:みくりの仕事ぶり
平匡がみくりを信頼し、敬意を抱くようになったのは、みくりの仕事ぶりを見てからです。
基本的な掃除もしっかりしてくれる上に
- 指示してないのに網戸を掃除してくれた。部屋が明るくなって気分が良かった
- メモの最後に「お仕事お疲れ様でした。」と気遣いのある一言を添えてくれる
というプラスアルファの心配りをしてくれるみくりに感謝し、尊敬と信頼を寄せるようになったのでしょう。
決定的だったのは、第一話で平匡が風邪を引いて寝込んだ時だったと思います。
病気の時にひとりでいるのは心細いものです。
動けない自分の代わりにパジャマを出してくれ、汗拭き用のタオルを用意してくれ、消化の良いお粥をつくってくれ、甲斐甲斐しく看病してくれたみくりに、平匡は全幅の信頼をおくようになったと思います。
第二話で両家の食事会があった時、平匡は「みくりさんは何でもできる素晴らしい女性で、尊敬しています」と心からのコメントをしています。
平匡がみくりを好きになったきっかけ3:自分を認めてくれる
第3話は、平匡が初めてみくりをかけがえのない存在だと感じたシーンが描かれていました。
平匡の同僚の沼田、風見と一緒に、ゆりちゃんの車に乗って5人でぶどう狩りに行ったときのことです。
平匡とみくりはお寺のお堂を見に入ります。
その時「都会的でカッコいい人」として風見を引き合いに出した平匡に、みくりがこう言います。
わたしは、平匡さんが一番好きですけど。
しみじみと、しっくり、落ち着いて
この一言が平匡の心にものすごく響き、「魔法のように、乾いた心に染み込んでいく」のでした。
自信のない平匡には、自分がみくりの恋の相手になるなんて全く思えず、道は遠いのですが、少なくともこの時点で彼はもう、みくりが大好きになったと思います。
平匡とみくりはどっちが背が高い?
『逃げ恥』を見ているとふたりの身長差が気になります。
みくりは思いのほか高身長だった?
こちらの記事で詳しくご紹介しています。↓
逃げ恥のテーマとは?ドラマの魅力と見どころを紹介
この2人可愛い #逃げ恥 pic.twitter.com/BPxOQOCUWH
— 新垣結衣fanpage (@__YUIPAGE) November 15, 2016
このドラマの見どころ・魅力はどこにあるのでしょう?!
- 可愛すぎるみくり
- 数々のオモシロ妄想シーン
- 平匡とみくりの恋の進展
- 独身のアラフィフ・ゆりちゃんのファッション
- ゆりちゃんの生き様と『呪いからの解放』について
- ゆりちゃんと風見の恋
- 魅力的な脇役たち(沼田、風見、日野、梅原、堀内、やっさん、みくりの家族、平匡の家族)
- 専業主婦の対価とは?
などなど。
その中でも、このドラマを通して普遍的に語られているテーマを2つご紹介したいと思います。
このテーマを踏まえてドラマを観ると、見どころ満載&考察ポイントてんこ盛りです。
テーマ&見どころ解説1:ゆりちゃんの生き様と『呪いからの解放』について
このドラマには、現代に起きている数々の社会現象について考察しようとするポイントがあります。
『呪い』もそのひとつです。
最終話でゆりちゃんが、内田理央さん演じる20代の若い女の子にこう言うシーンがあります:
わたしたちの周りにはね、たくさんの呪いがあるの。
あなたが今感じているのも、そのひとつ。
あなたが今馬鹿にしたものは、あなたが向かっていく未来でもあるのよ。
自分に呪いをかけないで。
そんな恐ろしい呪いからは、さっさと逃げてしまいなさい。
この時、内田理央さん演じるOLは「50歳にもなって17歳も年下の男に色目使うなんて」と言ってゆりちゃんに喧嘩を吹っかけてきました。
「老い」は全ての人に平等に訪れるものなのだから、それを否定するのは自分の首を絞めること。
周りにたくさんある「呪い」というのは、「こうでなくてはならない」と勝手に自分を縛る社会通念とか価値観のことだと思います。
- 25歳になったらクリスマスケーキで行き遅れ
- 女は結婚して家庭に入るのが一番の幸せ
- いい学校を出ていい会社に就職するのが一番の幸せ
- 人は子供を産んで育てて初めて一人前
とかとか。
他にもたくさん、たくさんありますね。
『逃げ恥』のゆりちゃんは、結婚も出産もせず、周りの人から押し付けられた「スタンダード」から逃れるようにして、それでも自分らしく幸せに生きていくことを模索して来た女性なのだと思います。
第8話で、酔った平匡を自宅に送った後の車の中でゆりちゃんが風見にこう言います。
でもね、あなたが思ってるより、ずっと遠くに行けるのよ。
この一言には、”既成概念から外れたところで自由に生きることで、初めて見える世界がある”と信じるゆりちゃんの実感が込められています。
「決まり切った方法でゴールを目指すよりずっと、思いもかけない新しい風景に出会えるよ」。
もっと自由にいろんな生き方をして大丈夫だよ~、というメッセージですね。
ドラマを見ながら、これからの生き方のヒントとして考えてみるのも楽しいかと♪
テーマ&見どころ解説2:専業主婦の対価について
みくりと平匡の恋愛について、「金 金言い出してからのみくりがキライ!」という声がネットで多く上がった時期がありました。
一番最初に、両親が館山に引っ越してしまい行き場がなくなってしまうから、とみくりが平匡に「契約結婚」を提案したのはまぁ、いいとして・・・
ふたりの恋愛が進展してお互いの気持ちを確かめ合った後でさえ「タダ働きはできない」とばかり賃金にこだわるみくりは、どうなんだ?
平匡への愛は無いのか!?という意見です。
しかし、このドラマのメインテーマとなっているのはまさに「専業主婦の対価について考える」ということなので、みくりの拘りを除外するわけにはいきません。
厚生労働省がまとめた「専業主婦の労働の対価は年収304万円に相当する」というデータは、『逃げ恥』がスタートしてから初めて広く知られるところとなり、「愛さえあれば、賃金ゼロでも当たり前」という社会通念に、大きく波風を立てることになりました。
平匡がみくりにプロポーズをした際の最大の失敗は、結婚した場合のメリットとして「みくりへの給料分お金が浮く」点ばかりを強調してしまったことです。
みくりはそれに対して、
主婦の労働の対価とは:
生活費の保証=最低賃金+雇用主の評価(愛情)
である、と平匡に意見します。
愛情はお金のように数値化できないため、「対価として期待するには極めて不安定な要素だ」と。
平匡も、プロポーズの時にみくりに言われた「愛情の搾取」という言葉に「どきっとした」と言い、「愛していれば当然、とどこかで思っていた」と反省していました。
平匡とみくりは、最初からみくりへの賃金が発生する『契約結婚』という形で関係をスタートさせたため、なかなか自然な恋愛にたどり着きません。
でも逆に普通のカップルがそこまで議論したり考えたりしないことを、徹底して真剣に話し合うので、見ている側にも考える場を与えることになっていたようです。
わたしは個人的には、みくりに支払っていた給与分をどう使うか、ふたりで話し合って決めればそれで十分じゃないかと思うんですけどね。
「全額、貯蓄」とか、平匡が勝手に決めずに、みくりが何にお金を使いたいか確認するとか、みくりが自由に使えるお金をちゃんと設定するとかすれば。
あなたは、どう思われますか?
まとめ
家事労働党恋人候補 森山みくり氏 #逃げ恥 pic.twitter.com/7FtOYdLZtY
— 新垣結衣fanpage (@__YUIPAGE) November 8, 2016
今回は『平匡はみくりをいつから好きになった?逃げ恥の魅力と見どころを紹介』のタイトルで、平匡がみくりに恋するまでにどんなきっかけがあったかについてご紹介しました。
ドラマ『逃げ恥』の魅力や見どころはたくさんあるので、いろんな視点から考察すると楽しいと思います。
『契約結婚』という変な形から関係をスタートしてしまったために、最後までぎこちなく、何かとボタンを掛け違いやすい平匡とみくりですが、主婦の労働の対価とは何か、何があれば妻は報われるのかについて、多くの考察ポイントを投げかけてくれました。
素敵なアラフィフのゆりちゃんが示してくれたように、「自分を縛る既成概念の呪いから自由になって、いろんな生き方をしていい」ことなど、普段当たり前のように思って考えていなかったことにも、改めて目を向けるきっかけをくれるドラマでした。
みくりが自己紹介してるのに平匡はしばらく言葉を発せずに、じっとみくりのことを見ていた。
ようやく言った一言が「すみません、思いのほかお若い方だったんで・・・」。
あの時からすでにみくりを異性として意識してたと思う。